【考察】
Rho（D）は最も免疫原性の強い血液型抗原で、Rho（D）陰性者の50〜70％がRho（D）抗原との初回免疫で抗一Rho（D）を産生します。更に、Rho（D）免疫グロブリン（RhIg）による予防を講じていない場合には、Rho（D）陰性の女性の15〜22％が妊娠によるRho（D）抗原との接触によりこの抗体を産生します。
抗一Dは高蛋白溶液やLISSによる、抗グロブリン試験で良く反応します。通常この抗体は酵素処理血球とはより強く反応し、へテロ接合およびホモ接合の赤血球での試験ではしばしば遺伝子量的効果を示します。多くの場合、この抗体は中程度もしくは深刻な新生児溶血性疾患を引き起こします。これは殆ど、常にIg G抗体で、通常そのサブクラスはIg G1かIg G3ですが、稀にIg Mの例が報告されています。
抗一Kpa（Penney）は白人の2％と黒人の0．1％以下に見られる抗原と反応します。Kpaおよびその対立抗原であるKpb（Rautenberg）やKpc（Levay）はKell式血液型の一部を構成します。抗一Kpaは通常、赤血球刺激により産生され、輸血反応や弱い新生児溶血性疾患を引き起こすことが報告されています。この抗体の反応性は酵素処理では影響されず、通常抗グロブリン試験で検出され、遺伝子量的効果は示し（9）。
人口の約85％がRho（D）陽性です。供血者血液のRho（D）抗原はルーチンでスクリーニングしているので、通常はRho（D）陰性血液を入手しクロスマッチをすることは可能です。Rho（D）陰性血液の98％はKpaについても（10） です。したがって輸血用に2単位のRh o（D）とKpa陰性血液を確保するためには、（11）単位のRho（D）陰性血液をスクリーニングすれば良いでしょう。
セルフチェック血清に抗Bが認められたことから、自己血球がA型であることが確認できます。
【参考文献】
1. Issitt PD：Applied Blood Croup Serology，3rd Ed., Montgomery Scientific Publications，Durham，NC，1985．219〜269，289〜304．
2. Mollison PL，Engelfriet CP，Contreras M：Blood transfusion in Clinical Medicine，8th Ed., 0xford，Blackwell Scientific Publications，1987，328〜378．
3. Walker RH，ed．：Technical Manual of the American Association of Blood Bank, 11th Ed., Bethesda，MD: Aｍerican Association of Blood Banks，1993，229〜256，268〜270．
問題9．（9）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
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