【考察】
rrであるSAは、韓国で負傷した際にD+血液の輸血を受けたように思われます。輸血の際に血液のRh血液型判定が常時行われるようになったのは1950年代半ばないし後半以降からでしたので、それは現在思うほど珍しいことではありません。SAは男性であることから、このような緊急事態では、SAには0型のRh＋血液を輸血して、0型のRh‐単位は妊娠可能年齢の女性のために温存しておくことになると思います。抗体解離液は抗Eを含まないことから、その単位は、R1rまたはR1R1あるいはR0であったはずです。
抗EはRh抗体である抗Rh3であり、多くの場合、輸血経験のない患者の血清で認められます。実際、妊娠女性の血清で認められる抗E抗体のほとんどが「自然産生」のものであり、赤血球刺激から生じたものではありません。
抗Dと抗Eのいずれも酵素処理した血球との方が反応性が良く、検査の抗グロブリン相で最も多く認められます。時として、これらの抗体の37℃でのみ反応する例が認められます。そのいずれも、臨床的に有意であると考えられ、抗原陰性の血液を輸血しなければなりません。
抗Kellとしても知られる抗Klも、臨床的に重要な抗体であると考えられ（9）。「自然産生」例は稀です。それはRh系以外で認められる最も一般的な抗体です。酵素処理した血球との反応は、未処理血球とで認められる反応と変わらないのが普通です。著者は抗Klとの反応を見てきましたが、酵素処理した血球は消失し、より強力となり、同し状態のままです。抗Klは情報を読みとらなかった抗体のうちの一つであるに違いありません。
SA用にO、D-、E-、K:-1を2単位見いだすために我々がスクリーニングする必要があるのは、わずか（10）単位でしょう。我々のRBC在庫はすでにD＋とD-に分けてあることから、抗CDEまたは抗Eのいずれかと抗K1を用いてD‐2〜3単位をスクリーニングします。白人と米国黒人のいずれも約15％がD‐であり、米国黒人の3％と白人の9％がK：1です。SAの血清中の抗A，BによりSAが0型であることが確認されます。
問題9．（9）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
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