【考察】
AG（患者賂称）は先の出産において、あるいはそれ以降どこかで輸血を受けたか、出産中のある時点で胎児母子間出血を経験したかのいずれかによってこれら2種類の大変低力価の抗体を保有しました。これら二つの抗体とも輸血または妊娠による赤血球刺激に応じて産生されます。これらは通常Ig G1であるので胎盤を通過することが出来ます。胎児の赤血球にはその抗原が十分に発達しているので、新生児溶血性疾患の原因となります。
これらの抗原は血小板、リンパ球、単球上に見られるものでなけれぱ顆粒球上に見られるものでもありません。赤血球1個当たり約2000−5000個のK2抗原が存在します。一方、S抗原はグリコフォリンB（SGP一B）分子に位置し、赤血球l個当たり約70，000個の抗原が存在します。S＋とs＋の差はSGP一Bの29番目に位置するアミノ酸によって決定されます。もしそれがメチオニンであれば赤血球はS＋となり、一方スレオニンであればs＋となります。
総てのK式血液型の抗原はDTTやAET処理した赤血球によって、不活化されたり破壊されたりします。この方法ではKoやKell nullの血球はKell抗体と反応しなくなるかも知れません。しかし基礎となる他の抗体には反応するでしょう。ZZAP処理した血球は、ZZAPがDTTに加えてパパインを含むので上記の解決方法にはなり（5）。また、酵素処理血球は抗一Sと良く反応しないか全く反応しません。抗一K2の反応性は通常酵素処理血球には変化がありません。
AGのためにK：一2，S−s＋の血球を含む血液を2単位見つけるのに、（6）単位の血液をスクリーンする必要があります。500単位に1単位の割合いでK：−2であり、S陰性は白人の約45％、アフリカ系一アメリカ人の69％に見られます。もし彼女の兄弟姉妹が近くにいるならば彼らが彼女への供血者として可能かどうかテストされるべきです。彼女の血清中に抗A，Bが存在することより、O型であることが確認されます。
問題5．（5）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
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