l957年に、AllenとLewisは抗Kp^aと抗Kpbの両方を報告し、これらの抗体は対立遺伝子の産生物を検出していると考えられることを報告しています。翌年これらの研究者は、これらの新たな抗原がKell血液型系（BGS）に属するものと決定し、現在までずっと2対立遺伝子系とされてきました。しかし我々の水晶球が効果を発揮していれば、これらの遺伝子はいずれもLevay BGSに属するものでしょう。それがどうなるか見てみましょう。Kell女史の抗体が報告された前年のl945年に、報告された最初の独立の低頻度抗原カテゴリであると考えられる低頻度抗原Levayが発表されました。それはl979年まで独立の低頻度抗原カテゴリとされてきましたが、l979年にYamaguchiが、発端者とその女性の子供のうちの3名がKp（a−b-)と思われるRBCを有する日本人家族について報告しました。しかしその血球は、今日までKp（a一b-)であると報告されている唯一の他のRBCであるKoではなく、通常の量のkおよびJSb抗原を有していました。これらの子供は、近親婚から生まれたものであり、YamaguchiによってKpcまたはK2lと称したものを遺伝していることが明らかになっています。Gavinらは後に、KpcおよびLevayが一つで同一のものであることを明らかにしました。そこで、Kp^a（K3）およびKpb（K4）は実際にはそれぞれ、LEV4およびLEV5である可能性があります。Kp^aは血小板、リンパ球、単核球および顆粒球では認められません。どのアミノ酸の置換によってこれらの各抗原が生じるかは不明です。元の抗Kp^aは自然抗体であるように思われました。
　Fy抗原は（7）蛋白分子であってN末端にFy^aおよびFy^bならびにFy6があり、これら3つの抗原はいずれも酵素による変性に対して非常に感受性です。Fy^aおよびFy^bはplasmodium vivax（（8）原虫）のRBCへの侵人口ではありません。Fy6がその役割を果たします。Fy^aとFy^bのいずれも、低pH低イオン強度の溶液で保存するとRBCから溶出します。それらはさらに、pH7．0の生理食塩水中で長時間保存した場合RBC表面から溶出することも明らかになっています。Fyxは稀に遺伝される形の弱いFy^bであり、反応する強い抗Fy^bの例がないため、Fyxすなわち弱いFy^bは検出されない場合があります。
　手術室に向かおうとしているこの患者のためにRBCを2単位見いだすには、3〜13単位のDrr（D-)をスクリーニングする必要があります。米国黒人の77％がFy（b-)であるのに対して、Kp（a-)であるのが100％です。白人では、Fy（bｰ)は17％に過ぎず、97．7％がKp（a-)です。URの血清中の抗A，Bから患者のABO血液型はO型であることがわかります。

問題7．（7）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？

　　　　　　　 糖 N S 　　　　　　　

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