【考察】
なんと興味深い抗体の組み合わせでしょうか。特定の血球を見いだすのが困難であったことはありますか。MとSは、無作為選択によって見られるより、一緒に遺伝する場合が多いものです。これは、連鎖不平衡と呼ばれるものです。このために、Ｍ一およびS＋である特定血球を見いだすのが困難であったと考えられます。除外のためにSのホモ接合型発現を用いることに関心があったのでしたら、Ｍ‐およびS＋s‐である特定血球を見いだすのはさらに困難であったと考えられます。M‐S一K：1の特定血球を見いだすことができましたか。貴院が無作為に供血者在庫をスクリーニングするとしたら、Ｍ‐S‐K：1に適合させるのに100を超える単位をスクリーニングする必要があると考えられます。貴院のパネルでこれらの血球を2つ見いだされたのは非常に幸運であったと考えられます。我々にとって幸運なことに、パネル製造者は、これらのような難しい特殊なものを分けるのに役立ち得る血球をパネル用に選んでいます。貴院が使用できる特定血球をお持ちでなかったとしたら、パネル血球を（2）処理して、MおよびSを破壊もしくは弱めて、それによって抗K1を確認できたであろうと考えられます。
pH変動は、ＭN蛋白の立体配置に影響を与える可能性があります。抗Mの一部の例では、試験媒体におけるpH変動による影響を受け、pH6．5で最も良く反応するように思われます。抗Mはさらに、低イオン強度溶液を用い、インキュベーション温度を下げ、比較的高い血清：血球比を用い、比較的長時間インキュベーションすることで促進することができます。抗Ｍは、酵素処理血球とは反応し（3）。
抗Ｍのほとんどの例が低温反応性で、自然発生のものです。ただし、稀に免疫性抗Mの例が報告されています。37℃で反応しない抗Ｍの例は通常、臨床的に重要ではなく、輸血療法では無視することができます。（4）加熱法は、交差適合単位を見いだすのに有用な場合があります。
ＭN抗原は、出生時にかなり形成されます。抗Mによって生しる新生児溶血性疾患（HDN）は極めて稀です。ただし、重度の症例が数例報告されています。
抗Sは、輸血または妊娠時の赤血球への曝露によって形成される免疫抗体です。抗Sは非常に多くの場合、抗グロブリン試験で検出されます。ただし、抗Sの生食法の例が数例報告されています。抗Sの酵素処理による反応は、陰性であるか弱い場合があります。抗Sは、溶血性輸血反応およびHDNを起こす場合があります。
問題２．（2）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
前へ戻る
最初に戻る