【考察】
　抗Fy^aは、Duffy血液型判定における抗原に対する抗体です。抗Fy^aは、抗グロブリン試験で検出されるのが普通であり性質は主としてIgGです。それは、溶血性輸血反応（HTR）や新生児溶血疾患（HDN）を起こし得るものです。酵素法では、Fy^a抗原を破壊します。
　抗eは、Rh血液型判定における抗原に対する抗体です。抗eは、ＨTRやHDNを起こし得るものです。抗eは、抗グロブリン試験および酵素法で最も良く検出されます。ほとんどの患者がe（4）であることから、抗eは稀な同種抗体です。
　貴院のeパネル血球の大半がFy（a+)でもあれば、抗体特異性を決定するのは困難であったかもしれません。BPの表現型を決定することで、抗体特異性を知る上での貴重な手掛かりか得られます。R2R2表現型によって貴院としては、パネル血球の大半と反応する抗eを予想されることになると考えられます。e‐赤血球の（5）処理が、抗Fyの検出に役立ったかも知れません。
　遺伝子型と表現型の違いは何でしょうか。その違いをどのように書けるでしょうか。血液型の用語は非常に紛らわしいものです。以下に簡単に概要を説明します。

遺伝子型：
個人の実際の遺伝子組立。遺伝子型は、DNA分析によって決定することができます。表現型結果に基づいて、可能性の高い遺伝子型を提案することができます。しかし、ある遺伝子の存在が正確に予想された抗原の産生と相関しているとは限りません。

表現型：
試験によって、個人の赤血球中に存在することが示された抗原のリスト

問題4．（4）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？

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