c抗原は、RBC膜を12回横切り、アミノ酸417個を有するRHCEポリペプチドで認められます。その抗原は、炭水化物分子を含まないという点、血清学的活性に脂質の存在を必要とするという点で、血液型判定抗原の中では独特のものです。c抗原の組成は完全には解明されていませんが、103番目のプロリンが必須であると思われます。人類学的には、c抗原は他の高等類人猿で認められます。
　我々の技術者は、交差適合試験を行った時に非常に驚いたに違いありません。AB0不適合の単位が出てきたのです。あるいはこの単位は別の患者用であった可能性があります。理由は何であれ、詳細に対しての注意が非常に重要であることは、強調しすぎるということはありません。
　幸運なことに、その不適合は遠心分離直後に検出され、おそらく、適合のものに取り換えるだけの時間があります。KE用に2単位のc‐を見いだすには、（8）単位をスクリーニングする必要があります。Ｍ‐も必要であれば、（9）単位をスクリーニングする必要があります。米国黒人ではM‐であるのは26％のみであり、c‐は4％のみです。白人では、M‐は22％であり、c‐は20％です。rr単位はいずれもc＋であることから、この場合にrr単位をスクリーニングすることは役立たないことに留意して下さい。KEの血清における抗Bから、患者のAB0血液型がA型であることがわかります。 

【参考文献】

1. Issitt PD. Applied blood Group Serology. 3rd ed. Durham, NC: Montgomery Scientific Publications, 1985 : 219-277，316-374. 

2. Mollison PL.  Engelfriet CP, Contreras M. Blood Transfusion in Clinical Medicine. 9th Ed. Oxford: Blackwell Scientific Publications, l993 : 204-252，256-265. 

3. Vengelen-Tyler V, ed. Technical Manual. 12th ed. Bethesda, MD: American Association of Blood Banks, 1996: 255-275，278-285. 

4. Reid ME, Lomas-Francis C. The Blood Group Antigen Factsbook. London : Academic Press, 1997: 27-32，93-106.
問題8．（8）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
　　　　　　　2〜10 10〜50 50〜200 　　　　　　　
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