【考察】
　通常、抗一Fy^aは妊娠や輸血のような免疫刺激により産生され軽度の場合が多いが溶血性輸血反応や、まれに重篤な新生児溶血性貧血を引き起こします。抗一Fy^a一般に抗グロブリン試験で最も良く反応します。Fy（a＋）血球はフィシンやパパインのような酵素で処理されると、抗原部位が変性し通常は抗一Fy^aとの反応性は弱くなるか消えてしまいます。
　Du f f y系に対する抗体は遺伝子量的効果を示したり、そうでなかったりします。沈黙Fy因子（Fy^aFy）が存在することから、Fy（a＋b一）血球が真にホモ接合のFy^a（Fy^aFy^a)であるか、あるいはへテロ接合なのかを判定することが困難な場合が度々あるので、反応性にある程度の明白な差が出る場合もあります。Fy^bはFy^b（a−b一）に対する遺伝子で黒人では多く見られますが、白人では稀です。多くのマラリア原虫がFy^b抗原から赤血球に入り込むことが研究により分かっています。このため、表現型がFy^b(a-b-)の人ではマラリア感染に対する耐性をもっています。
　抗一Uと反応する抗原は、人口の99％以上に存在します。この抗原はMnSsU式血液型の1つです。U抗原はグリコホリンB上にあって赤血球膜に近いところに位置し、反応性は酵素により影響を受けることは稀です。抗一Uは、通常赤血球刺激により産生し、新生児溶血性疾患や溶血性輸血反応の原因となります。この抗体は一般に抗グロブリン試験で検出されます。
　U抗原が高頻度なので、抗一Fy^b aおよび抗一Uが確認された患者に抗原陰性血2単位を確保することはとても困難でしょう。兄弟から供血者をスクリーニングするか、地域の血液供袷施設に相談して、稀血の（10）在庫品から適合血を確保することになります。
　セルフチェック血清に抗一A，Bが認められたことから、自己血球が0型であることが確認できます。

問題10．（10）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？

　　　　　　　凍結 冷蔵 冷蔵 　　　　　　　

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