【考察】
　このセルフチェック血清には、抗一Fy^a、抗一E（Rh 3）および抗一Jk^bの3種の抗体が含まれています。妊娠又は輸血により免疫された患者に、複数の抗体が存在する事は珍しいことではありません。これらの抗体の多くはIgGで、通常そのサブクラスはIgG1かIgG3です。これらのサブクラスの抗体には補体結合があります。これら抗体は溶血性輸血反応（特に抗一Jk^b）や新生児溶血性疾患の原因となります。Fy^a、EおよびJk^b抗原に対する抗体は量的効果を示すかもしれません。
　Fy^a抗原の発生率は、アジア人に高く見られます（＞90％）。従って、東洋人における抗一Fy^aの存在は、アメリカにおける抗一Coaを有する患者と同様に、それぞれの国内において輸血上の難題となっています。
　抗一Fy^aは、抗グロブリン試験でよく反応します。Fy^a陽性血球を酵素処理すると、抗原部位が変性し、その抗一Fy^aの反応性は、通常衰えるか破壊されます。
　抗一Eは、抗一Dに次いで最も一般的なRh抗体です。生食法で反応する抗一Eの例についての報告もあります。抗一Eは赤血球刺激を伴わない自然抗体としてしばしば産生されます。抗一cと一緒に抗一Eが検出されることはよくあります。
　抗一Eは、高蛋白溶液やLISSでの抗グロブリン試験で良く反応します。通常、酵素処理血球で試験すると反応は増強されます。
　抗一Eと同様に抗一Jk^b抗体は、抗グロブリン試験でよく反応し、酵素処理血球で反応性が増強されます。抗一Jk^bの産生はしばしば一時的であり、抗体検出が困難になることがあります。この理由により、以前に同定した抗体の記録が大変重要になります。
　アメリカ白人の約66％と、黒人10％がFy^a抗原を持っています。全人口の約30％はE腸性ですが、アメリカ白人の約75％と黒人の43％がJk^b陽性です。患者に交差適合血2単位を確保するには、供血者の人種構成にもよりますが、（10）単位の血液をスクリーニングする必要があります。 　セルフチェック血清に抗一A，Bが認められたことから、自己血球がO型であることが確認できます。

問題10．（10）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？

　　　　　　　2〜6 6〜35 35〜50 　　　　　　　

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