【考察】
このセルフチェック血清に含まれる抗一C，抗一E両抗体は、Rh式血液型に属します。両抗体は臨床的に重要で、遅発性溶血性輸血反応や、新生児溶血性疾患の原因となります。頻回輸血されたRo患者には標記のいずれか1つあるいは両抗体が産生されているかもしれません。Rz血球が輸血されていたならば複合抗原CE（Rh 22）に対する分離不能抗体（抗一CE）が産生されるかもしれません。
これら抗体は通常IgGで、補体活性能はありません。反応性は酵素処理血球を含め、あらゆる反応増強剤下で良好です。時折、明確な免疫刺激のない場合で、生食反応性の抗一Eの報告があります。Mollisonによると、抗一Cのみまたは、免疫性抗一Eのみというのは、非常に稀なことです。r rの人では、ほとんどの場合にこれらの抗体は、抗一Dと共に存在しています。D陽性患者で抗一Cと／または、抗一Eが産生されるのは0.1％以下でしょう。
適当な抗体が無いため、各表現型血球上のCおよびEの抗原部位の数を決定することは困難です。R2R2血球上にはEの抗原部位が約25，000あります。C抗原部位に関しては、3種の血球表現型についてその数が求められており、R1R!血球は46，000〜56，000、R1r血球は、2l，500〜40，000、そしてR1R2血球では25，500〜40，000あります。それに対して、A1血球上には約800，000〜1200，000のA抗原部位があります。（Issitt p‐229）
D陽性単位だけからスクリーニングして、この患者に2単位の適合血を確保することは非常に困難でしょう。白人のRo遺伝子出現頻度は極めて稀です。黒人においてもそれは、rの頻度に並び稀なことです。従って、供血者に、黒人種を多く抱えているなら、R0R0か(11)から2単位を選べるでしょう。さもなくば、D陰性のほとんどがCとEについても(12)であるから我々の患者にはこの2単位をクロスマッチすることになります。
抗一A，Bの存在により、自己血球のABO型はO型であることが確認されます。
参考
R0:Dce, R1:DCe, R2:DcE, Rz:DCE, r:dce, r':dCe, r''dcE, ry:dCE
問題12．（12）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
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