【考察】
　幸運なことにA0は、手術当日ではなく、手術前日に血液検査を受けにきました。手術を延期したい人はありませんが、そうせざるを得ない場合には、手術室に入る前にそうした方が良いに決まっています。抗Kp^b、あるいはより正確には抗K4 は、非常に稀な抗体です。相当する抗原の頻度が全人口の99．9％を超えることを考えれば、それは予測できるものです。抗Eは、それよりはるかに一般的に血液バンクで認められる抗体です。これらの抗体はいずれも、自然のものであると報告されています。これらはいずれも、輸血反応および新生児溶血性疾患において示唆されています。さらにこれらはいずれも、自己抗体としてだけでなく、擬似自己抗体としても報告されています。
　温式自己免疫溶血性貧血（WAIHA）の場合についてWarshは、患者250名中l名がKell式血液型（BGS）で特異性を有する自己抗体を持つと計算しています。これらの患者のほとんどが、Kell BGS抗原も抑制しています。Issittは、この抗原抑制の現象はどのBGS内でも起こり得るが、Kell BCSにおける頻度の方が高いと思われることを認めています。Rh特異性を有する自己抗体も非常に一般的に認められますが、自己抗Eは他の一部のものほどの頻度では生じません。
　抗K4については、恐らくその抗体か非常に稀であるために、具体的なデータがほとんどありません。良く知られている特性は、他のKell BGS抗体であるIgG（通常はサブクラス1および3）のものと類似しており、抗グロブリン試験で最も良く反応し、フィシンまたはパパインで処理した血球と反応性があります。Kell BGS抗原は、トリブシンおよびキモトリプシンを一緒にまたは連続的に使用することで破壊されます。貴院としてはフィシンまたはパパインで処理した血球と反応しないKell BGS抗体を扱ったことがあって、この結果にとまどっておられるのであれば、それはフィシンもしくはパパインがトリプシンやキモトリプシンで汚染されていた可能性があり（4）。

問題4．（4）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？

　　　　　　　ます ません 　　　　　

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