【考察】
我々はVTについて過去の血液銀行記録があることを見いだしており、その記録では抗体のマークが施してあります。抗体は弱すぎて同定することができず、患者に対してはさらに試験を行うので4〜6週間以内に再来するよう要請しています。過去の妊娠によって患者は、何らかに対する感作を受けたに違いありません。本日我々は、抗cが同定できるたけの強さを持つことを認めています。留意すぺき点として、RlR1表現型の個人では抗Eが抗cを伴う場合が非常に多いことから、抗Eについても十分にさがすようにしなけれぱなりません。抗Eを除外てきない場合には抗Eが存在するものと仮定して、輪血にはcおよぴEの両方に陰性の血液を選択しなけれぱなりません。
Rh座は染色体l上にあり、Fy遺伝子に対してシンテニーであり、球状赤血球症の遺伝子に連結しています。CcEe遺伝子は、4l7アミノ酸長のポリペプチドをコードしています。このポリペプチドには、他の全ての血液型抗原とは異なり炭水化物が含まれておらず、赤血球（RBC）膜を数回横断しています。l03番目のアミノ酸位置にあるプロリンは、c抗原発現に必須です。c抗原は、血小板、顆粒球、単核球およびリンパ球で認められません。
抗cはほとんど常にIgGですが、稀にIgM抗体の例が報告されています。それは常に、軽度ないし重度の新生児溶血性疾息を引き起こすことが知られている免疫抗体です。cに対する抗体はさらに、直後もしくは遅延性の軽度ないし重度の輪血反応で示唆されています。抗cは補体結合性ではなく、未処理血球より酵素処理したRBCと強く反応するのが普通です。その抗体はほとんど常に、C＋c＋血球よりC-c＋血球と良好な反応性を示します。すなわち、遺伝子量的効果を示します。実際、現在わかっている点をふまえてVTに対する6週間前の試験結果を再度調べると、反応したのはC‐c+血球であって、C＋c＋血球ではない可能性が高いと考えられます。
本日VT用に2単位を提供する必要があれば、白人の20％がC＋c‐であり、米国黒人ではわずか4％がC＋c-であることから、（９）単位の0D+をスクリーニングする必要があります。VTの血清中の抗A，Bから、患者の血液型が（１０）型であることがわかります。
問題9．（9）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
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