【考察】
 幸運なことに、BPに対する血液の要請はありませんでした。しかし、多くの施設での方針として、Type and Screenで予想外の抗体の存在が示される場合には、2単位の抗原陰性血液を準備しておきます。抗Fybは稀な抗体ですが、ほとんどの血液銀行や臨床検査室で未知の抗体ではありません。その抗体は通常、他の抗体とともに生じ、多くの場合反応性が低いことから、検出が困難になります。抗Fyb抗体の検出は困難であるにもかかわらず、その抗体が輪血反応や新生児溶血性疾患において示唆されることは稀です。Issittは、抗Fybの自然発生例について報告しています。それは、温式自己免疫溶血性貧血患者の一部での疑似抗体として報告されています。
 Fyb抗原は血小板、顆粒球、単核球およびリンパ球では認められていませんが、他の組織(数例を挙げると、脳、腎臓、肺など)で認められています。その抗原は蛋白分解酵素によって容易に変性します。そして残念ながら、RBCを低pH、低イオン強度の溶液に懸濁させた場合、あるいはRBCを長期間にわたって生理食塩水中に保存した場合に、その抗原は表面から溶出します。
 Fy抗原については多くの知見が得られています。その抗原は以前は、各種のマラリア原虫の侵入口であると考えられていました。我々は現在、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)はFya抗原やFyb抗原ではなく、Fy6抗原を介してRBCに侵入すると考えています。さらに、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)がFyとは全く無関係に、別の経路でRBCに侵入することがわかっています。Fy抗原は他の組織でも認められていることから、それらの機能に関してさらに研究が進められており、そのうちの少なくとも一つはケモカイン(4)であるように思われます。
 米国黒人で77%がFy(b-)であり、白人でFy(a+bー)であるのは17%に過ぎないことから、貴院の方針であれば、明日のBPの手術に向けて2単位を見いだすには、(5)単位をスクリーニングする必要があります。中国人および日本人では、Fy(a+bー)のパーセントは非常に(6)なります(それぞれ、0.8%および81.5%)。患者の血清における抗BからBPのABO血液型が(7)であることがわかります。

問題4.(4)の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか?
       溶解剤 抗体 受容体        
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