【考察】
　5人の子供を持ち、少なくとも2単位のRBC輸血を受けているLIが抗体スクリーニングで陽性であることは驚くには値しません。患者の抗Jkaは、予想以上に良く反応しています。多くの場合、その抗体は輸血後間もなく「消失」するため、優れた記録が残されていない限り、将来的な輸血反応を防止するのは困難になります。
　抗Jk^aは自己抗体として報告されていますが、自然抗体としては報告されていません。それはほとんどの場合でIgGlおよぴIgG2サブクラスであり、溶血性輸血反応（BTP）および新生児溶血性疾患（HDN）のいずれにおいても示唆されています。抗Jk^aのIgMの例も報告されています。発表されているHDN例は軽度のものでした。しかし、HTR例は非常に重度で、致死的ですらあります。抗Jk^a抗体は通常、酵素処理した細胞と比較的良好に反応し、ほとんど例外なく、それらはJk（a＋b+）とよりJk（a＋b-）との方が良好に反応します。
　多くの臨床検査室が、抗Jk^a抗体を見逃すのを恐れていることから、抗IgG H鎖特異的抗ヒトグロブリン（AHG）試薬への切り換えを行っていません。その理由には、少なくとも2重の誤りがあります。第1は、抗IgG H鎖特異的試薬で検出されないが、抗IgGと抗C3b，C3dの両方を含む広範囲AHGでは検出される抗Jk^aが非常に（７）であるということです。第2は、これらの抗体の多くが、輸血前には検出できないというものです。「特に優れた」手段を用いたとしても、これらの抗体は、輸血前検体では極めて弱いものです。
　Jk抗原は、他の血球系では認められてい（８）。Masouredisらによれば、RBC当たり約14000のJk^a抗原部位があっても、1単位のJk（a+）RBC輸血を受けたJk（a-）患者l000名中で抗Jk^aを形成するのはわずか7名です。多くの研究者が、その抗原部位はRBC表面で密集していると予想しています。それにより確かに、Kidd抗体が補体を活世化する並外れて強い能力を説明することができると考えられ（９）。
　Jk（a‐b+）であるのは米国黒人でわずか9％であり、白人では23％であることから、明日手術室でLIに対して行う可能性のある輸血に使用できる2単位を本日見いだすには、（１０）単位の0，Rh＋をスクリーニングする必要があります。LIの血清中の抗A，Bから、患者のAB0血液型が（１１）型であることがわかります。

問題7．（7）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？

　　　　　　　頻繁 稀 　　　　　　　

前へ戻る　　　　　　　　　　　　　　　 最初に戻る