【考察】
通常、抗一Fyaは妊娠や輸血のような免疫刺激により産生されます。Duffy式抗体は新生時溶血性疾患や溶血性輸血反応の原因となりますが、通常は深刻な状態にはなりません。抗一Fyaは一般に抗グロブリン試験でよく反応します。Fy（a＋）血球をフィシンやパパインのような酵素で処理すると抗原部位が変性し、通常は抗一Fyaに対する反応性が弱くなるか消えてしまいます。
Duffy式抗原に対する抗体は遺伝子量的効果を示す場合と示さない場合があります。沈黙Fy因子（FyaFy）が存在することから、表現型がFy（a＋b-）の被検血球では、真にホモ接合のFya（FyaFya）であるのか、あるいはヘテロ接合の抗原であるのかを判定することが困難なときもあり、反応にある程度の明白な差が出る場合もあります。FyはFy（a−b-）に対する遺伝子で黒人では多く見られますが、白人では希です。ある種のマラリア原虫はFyaやFyb抗原から赤血球に入り込むことが研究により分かっています。このため、表現型がFy（a−b-）の人ではマラリア感染に対す耐性をもっています。このDuffyヌル表現型は、おそらく（１０）（マラリアが風土病となっている地域）で発達しました。
アメリカ黒人の90％と白人の34％はFya抗原を持っていません。抗一Fyaを持った人に2単位の適合血を確保するためには供血者の人種構成にもよりますが、（１１）単位を試験しなければならないでしょう。
セルフチェック血清に抗一Bが認められたことから、自己血球が（１２）型であることが確認できます。
【参考文献】
1. Issitt PD. Applied blood Group Serology. 3rd Ed. Durham, NC: Montgomery Scientific
Publications, 1985 : 278-287.
2. Mollison PL. Engelfriet CP, Contreras M. Blood Transfusion in Clinical Medicine. 8th Ed.
Oxford: Blackwell Scientific Publications, l987 : 378-379.
3. Walker RH, ed: Technical Manual of the: Amerivan Assosiation of Blood Banks, 11th Ed,
Bethesda, MD: Amerivan Assosiation of Blood Banks, 1993, 270-271.
問題10．（10）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
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