【考察】
通常、抗一Fyaは妊娠や輸血のような免疫刺激により産生され、新生時溶血性疾患や溶血性輸血反応の原因として知られています。抗一Fyaは抗グロプリン試験でよく反応します。酵素処理赤血球での試験では抗体反応性は通常認められません。抗一Fyaは遺伝子量的効果が知られており、通常は、ヘテロ接合（Fy a Fy b or Fy a Fy）よりホモ接合（Fy a Fy a）での方が強く反応します。
ある種のマラリア原虫はFy抗原から赤血球に入り込むことが研究により分かっています。このため、表現型がFy（a一b−）の人ではマラリア感染に対する耐性をもっています。このDuffyヌル表現型は、おそらアフリカ（マラリアが風土病となっている地域）で発達しました。
Fya抗原は、供血者の人種構成により出現頻度が異なります。白人の約66％においてFya抗原が現れる一方で、黒人ではわずか10％にしかみられません。Fya欠乏の2単位を得るには、供血者の人種構成にもよりますが（１０）単位を試験することがのぞまれます。
セルフチェック血清に抗一Bが認められたことから、自己血球が（１１）型であることが確認できます。
【参考文献】
1. Issitt PD. Applied blood Group Serology. 3rd Ed. Durham, NC: Montgomery Scientific
Publications, 1985 : 278-287.
2. Mollison PL. Engelfriet CP, Contreras M. Blood Transfusion in Clinical Medicine. 8th Ed.
Oxford: Blackwell Scientific Publications, l987 : 378-381.
3. Walker RH, ed: Technical Manual of the: Amerivan Assosiation of Blood Banks, 11th Ed,
Bethesda, MD: Amerivan Assosiation of Blood Banks, 1993, 270-271.
問題10．（10）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
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