【考察】
このセルフチェック血清には、抗‐Mが含まれます。この抗体は抗グロプリン試験（AHG）で室温試験と同様の反応性を示します。ほとんどのメーカーのAlおよびB血球はプール血球であるため、B血球のドナーの少なくとも1人またはすべてが、M陽性です。したがって、タイピングが不一致になった原因を調べるためには、その試薬B血球を試薬抗一Mで試験をする（これらの血球がM陽性であることが証明される）か、M陰性のB血球で試験をする（不一致の原因が抗一Mであったことが証明される）ベきです。
この抗体に臨床的意義はあるでしょうか？この抗体に臨床的意義があることについては、ほとんどの輸血検査技師が同意すると思います。なぜならばこの抗体はAHGで強く反応し、Ig M型抗一M抗体だけではなく、Ig G型抗体の存在も示しているからでず。
この抗体が妊婦血清中に検出されたなら、産科医に何を報告したらよいでしょうか？この抗体は胎児には有害でしょうか？いくつかの要因について検討する必要があります。第1に父親の検査は出来るでしょうか？もし出来るならばMだけではなく、Nについても検査をしてください。父親がM＋N一ならばMgMで無い限り（この場合の確率は50％だが、MｇMはマレなので別の話になる）M抗原は100％胎児に受け継がれます。
血清をDTT（ジチオスレイトール）処理すれば、Ig G部分の力価を測定することができます。血清を凍結しておくことも重要で、そうしておけば次回の採取のサンプルと平行して検査することができます。1回だけの力価の測定では「無いよりは良い」という程度で、複数の測定値を比較することで確実なデータが得られます。
明確な赤血球刺激を伴わないで、抗一M抗体が産生されていることが度々あります。これらの抗体の多くは室温以下でのみ反応性を示し（４）。M抗原は膜通過シアログリコプロティン分子であるグリコホリンA上にあります。この構造のカルボキシル末端は赤血球の細胞質内に延びており、アミノ末端は赤血球膜の外側に突き出しています。赤血球1個には500，000のGPAが分布しています。赤血球を酵素処理するとM抗原の反応性は消え（５）。
問題4．（4）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
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