【考察】
NＭの血清中の白己抗体Iは非常にやっかいです。貴院ではそれをどうやって回避しますか。一つの方法は遠心直後の判定を行わないことであると考えられます。American Association of Blood Banksは、遠心直後の判定を要求していません。その基準では、赤血球抗原に対して臨床的に重要な抗体を示す試験方法が要求されています。その方法では、抗グロブリン試験の前に37℃でのインキュベーションを行わなければなりません。
抗Iの反応性を解決する上で役立つ別の方法は、予備加温法を行うことです。この方法では、赤血球および患者の血清を別々に5〜10分間加温します。血清と血球を混和し、37℃でインキュベーションします。必要ならば、昇温促進媒体を加えることもできます。適切なインキュベーション時間経過後、混合物を温生理食塩水で洗浄し、抗IgGを加えます。
遠心直後の反応性を解決して、抗Iによって被覆されると考えられる相で他の抗体を検出することに関心があるのでしたら、冷式自己吸収を試してみることができます。この方法では、患者自身の血球を酵素で処理してから吸収を行うことで、最大吸収が認められます。次に、酵素処理血球を、等量の血清とともに4℃でインキュベーションします。そして、冷式白己吸収血清について調べることができます。この方法は、患者が最近輸血を受けていない場合にのみ使用するものでなければなりません。輸血された血球は、貴院が除去を望まない同種抗体を吸収する場合があります。当然のことながら、この方法を行うには、多量の患者血球が必要です。多量の患者血球が使えない場合は、ウサギ赤血球基質（RESt）（TM）を用いた吸収を行うことができます。RESt（TM）は、抗I、抗Hおよび抗IHなどの寒冷凝集素を除くものです。この方法は、患者が最近輸血を受けた場合に使うことができます。
抗Iが試験を妨害しないようにするための別の方法は、血清をジチオスレイトール（DTT）または2メルカプトエタノール（2-ME）で処理することです。これらのチオール試薬は、（２）分子中の結合を開裂させて、反応できなくするものです。血清検体中に存在する他の（２）抗体も失活することに留意して下さい。使用可能な場合は、I-血球を用いて、抗Iによって被覆される可能性のある他の抗体を除外することができます。
問題２．（2）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
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