［考察］
以前FLの血清中に検出された抗Jkbは、現在の患者検体からはもはや検出されません。Kidd血液型判定における抗体は、検出限界以下になることが良く知られています。従って、過去に検出された抗体の履歴に関してカルテを入念に調べることが非常に重要です。抗Jkbは通常、IgGであり、抗ｸﾞﾛﾌﾞﾘﾝ試験で検出されるのが一般的です。抗Jkbは、溶血性輸血反応およぴ新生児溶血性疾患を引き起こし得るものです。
以下に、現在利用できる各種抗体検出方法について述べます。ウシアルブミンを用いて、直接擬集を強化するのが一般的です。試験混合液中で濃度が適切であると、ウシアルブミンは血球間の距離を狭くして、感作赤血球（RBCs）間の架橋形成を行うことができ、それによって擬集を促進します。ウシ血清アルブミンは、濃度22％または30％の溶液として、あるいは重合溶液として、あるいは低イオン強度緩衝液を含む溶液として入手できます。
試験媒体のイオン強度を下げることで、抗体が血球に結合する割合が大幅に促進されます。それにより、低イオン強度溶液（LISS）試薬を用いて、インキュベーション時問をより短くすることができます。最終イオン強度が非常に重要であることから、必ず正確な容量のLISSおよぴ血清を使用することが重要です。血清：血球比が高くなると、LISS試験の感度は上昇せずに低下します。余分なLISSを使用すると、非特異的な擬陽性反応が生じます。実施する試験手順に関して、全成分について指定された容量を使うようにしなければなりません。各種LISS試薬を使用することができます。
ポリエチレングリコール（PEG）は、エチレングリコールの水溶性の直鎖ポリマーであり、凝集の抗体取り込み段階に影響します。そのポリマーを試験系に加えると、希釈液中の水分子の排除が立体的に起こることで、抗原と抗体分子とが接近するようになります。RBC一抗体衝突の割合と量、そしてそれに伴う抗体結合が増加します。インキュベーション後の遠心操作がないので、（５）の使用をお勧めします。ポリエチレングリコールおよぴ免疫グロブリンが残留すると誤った結果を生じる可能性があることから、洗浄と再懸濁の回数が非常に重要です。蛋白沈殿は一部の患者において血清蛋白の増加として報告されており、骨髄腫または高レベルのフィブリノーゲンを含む血漿での試験において起こる可能性があります。
問題5．（5）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
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