【考察】
JNは早急な輸血を必要とする。本症例のへマトクリット値は急速に低下している。たただし、その抗体はパネル血球のほとんどと反応することがわかる。しかしながら、それは貴院の抗体スクリーニング試験でl血球、RlR1血球および貴院で使用のパネルの2または3本のc陰性血球とは反応しない。貴院では、調べたR1rまたはr’r血球との反応が非常に弱いか恐らくは陰性であることが判っているかも知れない。抗cは1倍量の抗原を発現する血球であるC＋c＋より、2倍量のc抗原を発現するC‐c＋血球と良く反応する。すなわち、それは遺伝子量を示す。その抗体の有無は決してC+c+血球、R1r、R1R2、r'rまたはR2Rzとの陰性反応に基づいて決定すべきではない。
パネルには、C‐c＋細胞は多くないことから、血液銀行は期限切れの特殊血球を貯えておくことを検討すべきである。それには貴院での抗体スクリーニング血球とパネル血球の両方で、e‐血球ならびにc‐血球としての利用なとがあり得る。貴院がそれを行う場合、それが期限切れのものである、あるいは「教育および研究目的専用」であることを示すかもしくはその血球が期限内ではないことをすべての人に知らせる何らかの方法を講ずることが必要である。取締政府機関（規制当局）はいずれも、最初の抗体試験では期限内の血球および試薬を使用しなければならないと規定している。抗体が存在することを決定または明瞭にするために追加の血球が必要な場合には、凍結血球や期限切れのパネル血球またはスクリーニング血球などの貴院が利用できるものはいずれも使用してかまわない。
JNは、抗cの背後に隠れている他の抗体の有無を知るためにはさらに高頻度の抗原陰性血球を必要とする理想的な症例である。
全ての症例ではないが実際の患者例の多くにおいて、抗（８）は抗cと共存していると考えられる。我々の患者が輸血に先だって緊急の0型Rh一血液の単位注入を受けたのであれば、抗（８）を伴わない抗cの存在が予想される。
参考
R0:Dce, R1:DCe, R2:DcE, Rz:DCE, r:dce, r':dCe, r''dcE, ry:dCE。
問題8．（8）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
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