【考察】
TSが形成している抗Dは非常に強力なものです。これが患者の最初の検診であることから、患者の血清に存在する抗DはRhIg投与によるものではないと考えられます。その抗Dは、TSが行った中絶のいずれかの後に形成された可能性が最も高いと思われますRhIgは投与されていなかったか、適切に投与されなかったか、あるいはTSが中絶で予想以上に多量の出血を起こした可能性があります。
抗D：、溶血性輸血反応（ HTR）および新生児溶血性疾患（HDN）を起こす力が非常に強いものです。TSは現在妊娠中ですので、担当医は貴院の所見を頭に入れ、妊娠のモニタリングが開始できるようにしておかなければなりません。医師は、ペースラインを決定するために、抗D力価を要求するはずです。TSの血清検体は、必要に応じて今後行う力価試験の比較品として冷凍しておかなければなりません。上がっている力価の真の意義を評価するためには、連続する力価測定を、同じ方法および同じ赤血球表現型のテスト血球で行うことが重要です。現在の試料と平行して以前に冷凍しておいた血清検体を調べることで、方法の相違によって生じる力価の変化を最小限にできます。
TSの担当医は、子供の（６）の赤血球を調べることが有効であると考えられます。（６）の血液型がD-であれば、子供にはHDNのの危険性はなく、それ以上モニタリングする必要はありません。（６）の血液型がD+であれば、血液バンク職員担当医がD遺伝子（RHD）について（６）の接合子を予想する手助けをしなければなりません。（６）のRHDについて（７）接合であれば、その（６）は必ず、子供にDの遺伝子を遺伝します。（６）がRHDの（８）接合発現を有する場合、その（６）の子供の半数にRHD遺伝子が遺伝されます。このデータは、将来の妊娠についてそのカップルのカウンセリングを行うのにも有用であると考えられます。
問題6．（6）の中に入る言葉は次のうちどれでしょうか？
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